渡航自粛勧告(クロアチア編)

クロアチアへの国境越えはきつかった。

これまでさほど国境を 越えるのを大して大袈裟に考えていなかったのですがその考えは覆されました。

パスポートの写真と人相が少し異なっていたせいもあり、訪問予定地・滞在期間・渡航目的・ 所持金を聞かれただけでなく、どうして日本人がこんな所に来ているのか?

クロアチア国内に親や兄弟や友人などが居るのか?と聞かれたり、 所持金を見せろと要求されたり (中身を抜かれたくなかったので触らせなかったが・・・)

挙げ句の果てに私はクレジットカードを見せろ!と恐い顔で要求され、 (欧州はクレジットカードを持っていると信用される。)

恐る恐る提示すると、 やっと納得したのか賄賂を要求されることなく入国スタンプを ガシャッと押してくれ、 入国係官は無愛想に去っていきました。

恐かった・・・。

クロアチアの首都ザグレブ。ある晴れた日の事。

丘の上にある教会近くから街を眺めようと思い、石段の上り坂を歩いて登り あと少しで頂上という時、

突如「ドーン!」という激しい爆音と少しの 振動が私の頭上そして身体に感じられた。

その時私の脳裏をよぎったのは 日本国外務省の次のような勧告である。


去る1995年5月2日クロアチア共和国の首都ザグレブに
セルビア人勢力と見られる者によってロケット弾が
撃ち込まれ、 死者数名、負傷者多数の被害を出した事件が起き、 このような事態に配慮して同国への渡航
自粛を勧める。(要旨)


この爆音はロケット弾か?と緊張して立ち尽くしていると、 空からパラパラと何かが舞い落ちてきた。

ひょっとして・・・。 しばし、呆然としている私に対して、クロアチアの人々は落ち着いている。

パニックがどこかで起きている筈だ と思い辺りを見回しキョロキョロしていたら、 ある女性が私の方へやってきて

「お昼の合図よ」と微笑み、教会備え付けの大砲?を 指差してウインクした。

私の頭の中は「???」という感じだったが腕時計を見ると丁度12時を指していた。

「えっ、そういう事なん?」と少し安心して辺りを見渡すと地元の人々はみな私の方を 見てニヤニヤしている。「やられたぁ!!」と思って再び歩きはじめるとみんなが私に 向かって、思い思いに “Good afternoon!”とか “Hello!”クロアチア語の 「こんにちは」にあたる言葉で”Dobar dan!”(ドヴァル ダン!)と

声を掛けてくれ、うれしそうな顔をしている。

ホッとしたものの、マジでシャレならへんでぇ~。

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